Smiley face
写真・図版
教室に入ると、リュックサックにスマホをしまうニコラ・ドゥブリーズさん=2024年9月13日、ベルギー・ニベール、牛尾梓撮影
  • 写真・図版

 秋から新学年となったベルギーでは、日本の中学・高校にあたる多くの学校で、スマートフォンを禁止する動きが出ている。欧州各国にも広がり、それに反対するデモまで起きる事態になった。現場では、どう受け止められているのか。

  • SNSにはびこる問題投稿、欧州委員が訴えた「汚いビジネス」の構図

 「画面に表示される時計で時間を確認したくなることもあるけど、もう慣れたかな」。ニコラ・ドゥブリーズさん(17)は登校後、教室に入るとすぐ、リュックサックの中にスマホをしまった。

 11~18歳が在籍する、首都ブリュッセルから南西へ約30キロにあるこの学校では、約10年前から先駆的な取り組みとして、学校にいる間のスマホの使用を禁止している。ニコラ・スピルスティンズ校長(48)は「生徒同士の会話の時間が増え、SNSによるトラブルも起きづらい」と説明する。

 スピルスティンズ校長ら教師の悩みの種になっているのがSNSだ。

 利用者の好みに合わせて投稿が表示される「おすすめ」を見続けることで依存的になったり、同級生らの顔写真を使った「なりすまし画像」の投稿がいじめにつながったりするのだという。「スマホに依存すると、子どもは『孤立』する。校内だけでも使わせないのが一番の解決策だ」とスピルスティンズ校長は指摘する。

 校内でのスマホ使用を禁止す…

共有